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大腸がん

大腸がんとは|早期発見で
治癒が期待できるがん

大腸がんとは|早期発見で治癒が期待できるがん大腸がんは、大腸(結腸・直腸)の粘膜から発生する悪性腫瘍です。その多くは、まず良性のポリープ(腺腫)として発生し、それが数年かけてがん化していくと考えられています。
近年、食生活の欧米化などを背景に、日本人で最も患者数が多いがんとなっていますが、早期の段階で発見すれば、内視鏡治療などで根治が期待できるという大きな特徴があります。症状が出てからではなく、症状のないうちから定期的に検査を受けることが、大腸がんから命を守るために最も重要です。

大腸がんの症状|血便は痔だと決めつけないで

大腸がんは、初期にはほとんど自覚症状がありません。進行すると、以下のような症状が現れることがあります。

大腸がんの症状|血便は痔だと決めつけないで
  • 血便・下血:便に血が混じる、便器が赤くなる。最も多い症状です。
  • 便潜血検査陽性:健康診断などで指摘される。
  • 便通異常:便秘と下痢を繰り返す、便が細くなる。
  • 残便感:便を出し切ってもスッキリしない。
  • 腹痛、お腹の張り
  • 貧血:がんからの持続的な出血による。
  • 原因不明の体重減少

特に血便は、多くの方が「痔だろう」と自己判断してしまいがちですが、大腸がんの重要なサインである可能性があります。安易に決めつけず、専門医の診察を受けるようにしてください。

大腸がんの主な原因と
リスク因子

生活習慣

  • 食事:動物性脂肪・赤肉(牛、豚、羊など)の過剰摂取、野菜・果物不足。
  • その他:肥満、飲酒、喫煙。

年齢

40歳を過ぎるとリスクが高まります。

遺伝的要因

血縁者に大腸がんや大腸ポリープになった方がいる場合(家族性大腸腺腫症、リンチ症候群など)。

大腸がんの検査|大腸カメラが最も確実な方法

大腸がんの検査にはいくつか種類がありますが、がんやポリープの発見、診断、そして治療までを一度に行える「大腸カメラ検査」が最も確実で推奨される検査です。

大腸カメラ検査

大腸カメラ検査肛門から内視鏡を挿入し、大腸の最も奥から直腸まで、全域の粘膜を直接、詳細に観察します。

  • 確実な診断:小さなポリープや平坦な形のがんも発見可能です。
  • 組織採取(生検):疑わしい部分の組織を採取し、がん細胞の有無を顕微鏡で確定診断できます。
  • ポリープ切除:発見したポリープ(特に前がん病変である腺腫)をその場で切除できます。ポリープを切除することは、将来の大腸がんを予防することに直結します。

当クリニックでは、消化器内視鏡専門医である院長が、鎮静剤の使用炭酸ガス送気など、苦痛を最小限に抑える工夫を凝らした大腸カメラ検査を行っています。

当院の大腸カメラ検査
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便潜血検査

便潜血検査便に目に見えない微量の血液が混じっていないかを調べる、簡便で体への負担がない検査です。大腸がん検診で広く行われていますが、早期がんやポリープでは出血しないこともあり、この検査が陰性でも「大腸がんではない」とは言い切れません。陽性になった場合は、必ず精密検査として大腸カメラ検査を受ける必要があります。

宝塚みずた内科・消化器クリニックの大腸カメラ検査実績

宝塚みずた内科・消化器クリニックの大腸カメラ検査実績当クリニックでは、日々多くの患者様の大腸カメラ検査を実施し、病気の早期発見と予防に努めています。
以下は、当院における実際の検査実績です。(集計期間:2023年11月1日~2025年8月9日)

総検査数:869件

  • 腺腫(がんになる可能性のあるポリープ)の発見:447名
  • 実に、検査を受けた方の約半数(51.4%)に、将来のがん予防に繋がるポリープ切除を行っています。症状のない段階で検査を受けることの重要性が、この数字からもお分かりいただけるかと思います。

大腸がんの発見:14例(検査を受けた方の約1.6%、およそ62人に1人)

  • そのうち、早期がん:8名
  • そのうち、進行がん:6名
  • 発見されたがんのうち半数以上が、身体への負担が少ない治療で根治を目指せる早期がんでした。これは、大腸カメラによる早期発見がいかに重要かを示す、何よりの証拠です。

その他の重要な疾患の発見

  • 潰瘍性大腸炎:16名
  • 神経内分泌腫瘍(NET):2例
  • 大腸カメラは、がんやポリープだけでなく、様々な大腸の病気を発見するきっかけにもなります。

これらの実績は、専門医による精密な内視鏡検査がいかに多くの病気の発見に貢献しているかを示しています。お腹の症状がある方はもちろん、症状がない方も、ご自身と大切なご家族のために、ぜひ一度大腸カメラ検査をご検討ください。

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大腸がんの治療

治療法は、がんの進行度(ステージ)によって決まります。

  • 内視鏡治療(ポリープ切除、ESDなど):がんが粘膜内または粘膜下層の浅い部分に留まっている早期がんが対象です。お腹を切らずに、大腸カメラを用いてがんを切除します。当クリニックでも日帰りでのポリープ切除に対応しています。
  • 外科手術:がんが進行し、大腸の壁の深い部分まで達している場合や、リンパ節転移の可能性がある場合の標準治療です。開腹手術や、体への負担が少ない腹腔鏡手術が行われます。
  • 化学療法(抗がん剤治療)・放射線治療:手術が困難な進行がんや、再発予防、転移がある場合などに行われます。
    治療が必要な場合は、患者様のご希望もお伺いしながら、最適な治療が受けられる高次医療機関へ責任を持ってご紹介いたします。

【Q&A】大腸がんについて

便潜血検査で陽性でした。大腸がんでしょうか?

便潜血陽性イコール大腸がん、ではありません。陽性になる原因で最も多いのは痔などの良性疾患です。しかし、大腸がんやポリープが原因である可能性も否定できません。実際に、便潜血陽性で大腸カメラを受けた方のうち、約3~5%に大腸がんが、約30~40%にポリープが見つかります。「どうせ痔だろう」と放置せず、必ず大腸カメラ検査を受けて原因を確かめることが大切です。

大腸ポリープはすべて切除した方が良いのですか?

大腸ポリープには、将来がん化する可能性のある「腺腫」と、がん化の心配がほとんどない「過形成性ポリープ」などがあります。大腸カメラでは、その場で種類をおおよそ判断できますが、確定診断には切除して病理検査を行う必要があります。基本的には、がん化する可能性のある腺腫や、ある程度の大きさ(5mm以上)のポリープは、がん予防のために切除することが推奨されます。