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胃炎

胃炎とは

その胃の不調、
放置していませんか?

胃炎とは|その胃の不調、放置していませんか?

胃炎とは、食べ過ぎやストレス、ピロリ菌感染など、様々な原因によって胃の内側を覆う粘膜に炎症が起きている状態を指します。胃炎は、その経過によって突然発症する「急性胃炎」と、炎症が長期間続く「慢性胃炎」に大きく分けられます。
特に、慢性胃炎が長く続くと胃粘膜が薄く痩せてしまう「萎縮性胃炎(いしゅくせいいえん)」という状態に進行し、胃がんの発生リスクが著しく高まることが知られています。
胃炎は初期には症状が乏しく、「いつものこと」「年のせい」などと自己判断してしまい、気づかないうちに病状が進行するケースが少なくありません。胃の不快な症状が続く方、あるいはご自身の胃の状態が気になる方は、お気軽に宝塚みずた内科・消化器クリニックへご相談ください。

胃炎の種類と特徴

胃炎は発症の仕方や原因によって、主に以下の種類に分けられます。

慢性胃炎

慢性胃炎は、胃粘膜の炎症が数ヶ月から数年にわたって続く状態です。最大の原因はピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ菌)の長期感染で、持続的な胃もたれや食欲不振、鈍い胃痛などを引き起こします。放置すると胃粘膜の萎縮が進み、胃がんへと発展する危険性があるため、早期の対応が重要です。

急性胃炎

急性胃炎は、アルコールの過剰摂取や香辛料などの刺激物、ストレス、薬剤(痛み止めなど)といった原因によって胃粘膜に急性の炎症が起きた状態です。原因を取り除き、適切な治療を行うことで、数日から1週間程度で改善が見込めます。

萎縮性胃炎

慢性胃炎が長期間放置されると、胃粘膜がまるで砂漠のように薄く痩せてしまい、「萎縮性胃炎」という状態に進行します。胃粘膜が萎縮すると、胃酸を分泌する能力が低下し、食べ物の消化が悪くなるだけでなく、胃がんの発生母地(発生しやすい場所)となります。そのため、定期的な胃カメラ検査による経過観察が不可欠です。

症状チェック

慢性胃炎・萎縮性胃炎の主な症状

慢性胃炎・萎縮性胃炎の主な症状慢性胃炎では、以下のような地味で曖昧な症状が続くことがあります。

  • 食後の胃もたれや、いつまでも食べ物が残っている感じ
  • 空腹時や夜間の胸やけ、みぞおちの痛み
  • 食欲があまり湧かない
  • お腹が張る感じや、ゲップがよく出る
  • 軽い吐き気やむかつき

ただし、症状の強さと胃炎の進行度は必ずしも一致しません。ほとんど症状がなくても、胃カメラ検査で進行した萎縮性胃炎が見つかることも珍しくありません。

急性胃炎の主な症状

急性胃炎の主な症状急性胃炎では、以下のような症状が突然、はっきりと現れるのが特徴です。

  • 急激でキリキリとした胃痛(みぞおちの痛み)
  • 強い吐き気や嘔吐
  • 胃の膨満感や不快感

重症の場合、吐血(血を吐く)や黒色便(タール便)が見られることもあり、この場合は命に関わる可能性もあるため、直ちに医療機関を受診してください。

胃炎の主な原因はストレスだけではありません

慢性胃炎・萎縮性胃炎

  • ピロリ菌感染:慢性胃炎の原因の約8割は、ピロリ菌の持続感染によるものと考えられています。ピロリ菌が胃粘膜に棲みつくことで、慢性的な炎症を引き起こします。
  • 生活習慣の乱れ:長期にわたる不規則な食生活や慢性的なストレスも、胃粘膜に負担をかけ、慢性胃炎の一因となります。
  • 薬剤の長期服用:非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)と呼ばれる痛み止めなどを長期間服用すると、胃粘膜を守る防御機能が弱まり、慢性胃炎を引き起こすことがあります。

急性胃炎

  • 食生活の乱れ:暴飲暴食、香辛料の多い食事、熱すぎる・冷たすぎるものの摂取は、胃に急激な負担をかけ、急性胃炎の直接的な引き金となります。
  • 過度な飲酒・喫煙:アルコールやタバコは胃酸の分泌を過剰にし、胃粘膜を直接攻撃するため、急性胃炎のリスクを高めます。
  • 精神的・身体的ストレス:強い精神的ストレスや、手術・怪我といった身体的ストレスは自律神経のバランスを乱し、胃酸の過剰分泌や胃粘膜の血流低下を引き起こし、胃炎を発症させます。

胃炎の検査|胃の状態を正確に把握するために

胃炎の検査|胃の状態を正確に把握するために急性胃炎が疑われる場合、詳しい問診や症状から診断することもありますが、慢性胃炎や萎縮性胃炎、さらには胃がんとの鑑別のためには、胃カメラ検査が最も確実で有用な検査です。
当クリニックでは、消化器内視鏡専門医である院長が、鎮静剤(静脈麻酔)を用いた苦痛の少ない胃カメラ検査を行っております。胃の不調でお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。

当院の胃カメラ検査について詳しくはこちら

胃炎の治療|症状と原因に
応じたアプローチ

急性胃炎は原因を取り除き、胃を休ませることで数日で回復することが多いですが、慢性胃炎、特にピロリ菌が原因の場合は、適切な治療を受けない限り自然に治ることはありません。

慢性胃炎・萎縮性胃炎の治療

慢性胃炎・萎縮性胃炎の治療まずピロリ菌の感染を調べ、陽性であれば除菌治療を行います。除菌に成功することで、胃の炎症が改善し、将来の胃がんリスクを大幅に低減させることができます。
その他、症状に応じて胃酸の分泌を抑える薬(プロトンポンプ阻害薬など)や、胃粘膜を保護・修復する薬を処方し、胃の負担を和らげます。

ピロリ菌について詳しくはこちら

急性胃炎の治療

まずは原因の除去と食事療法(胃を休ませること)が基本です。症状が強い場合は、胃酸を抑える薬や胃粘膜を保護する薬を処方します。脱水を防ぐため、こまめな水分補給も重要です。

胃炎になった時の食事と
セルフケア

胃炎になった時の食事とセルフケア胃炎の症状を和らげ、回復を早めるためには、食事の内容が非常に重要です。

避けるべき食べ物・飲み物

  • 脂肪の多い食事(揚げ物、脂身の多い肉など)
  • 刺激物(香辛料、炭酸飲料、コーヒー、濃い緑茶など)
  • 酸味の強いもの(柑橘類、酢の物など)
  • アルコール

積極的に摂りたい食べ物・
飲み物

  • 消化が良く、胃に優しいもの(おかゆ、うどん、白身魚、豆腐、鶏のささみ、バナナなど)
  • 調理法は「煮る」「蒸す」がおすすめです。

生活習慣のポイント

  • よく噛んでゆっくり食べる
  • 腹八分目を心がける
  • 食後すぐに横にならない
  • 十分な睡眠とストレス解消を心がける

【Q&A】
胃炎についてよくあるご質問

胃炎は自然に治りますか?

急性胃炎の場合、原因となった暴飲暴食やストレスなどを避ければ、数日で自然に軽快することもあります。しかし、ピロリ菌が原因の慢性胃炎は、除菌治療を行わない限り自然治癒は期待できません。また、症状が治まったように感じても炎症が続いている場合もありますので、胃の不調が続く場合は自己判断せず、一度専門医にご相談ください。

市販の胃薬を飲み続けても大丈夫ですか?

市販薬で一時的に症状が和らぐことはありますが、それは対症療法に過ぎません。特に、薬を飲んでいる間は症状がなくても、根本的な原因(ピロリ菌感染や萎縮性胃炎など)が放置され、病気が進行してしまう可能性があります。また、胃の症状だと思っていたら、心臓など他の臓器の病気が隠れていることもあります。安易に市販薬を長期連用せず、まずは正確な診断を受けることが大切です。